2023年3月期からスタートした4ヵ年の中期経営計画「ビジョン2025」では、「ハニカム型経営」と「イノベーション」を成長戦略の柱とし、M&Aも活用して新たな領域を開拓するとともに、「健全経営の確立」、すなわち適正な利益、財務の安定、人的資本の向上の好循環サイクルの構築に取り組んでいます。
中期経営計画の2年目である当期は、映像分野を強化するためのさまざまな施策を講じています。
一つ目の施策は、「映像機器販売の強化」です。都市再開発に加え、全国各地で進むスタジアム・アリーナの建設計画、大阪・関西万博の開催等を背景に、国内のLEDディスプレイ市場は拡大が予想されます。屋外、商業施設、企業、交通機関等におけるデジタルサイネージも伸長しています。昨今、当社では引き合いが増大し、需要に対応しきれない状況が発生しており、人員体制の強化が課題となっています。この絶好の成長機会をとらえるべく、ICTを活用した映像ソリューションを展開する株式会社エヌジーシーを第3四半期に連結子会社化しました。同社は、LEDディスプレイのグローバルトレンドとなっている超高精細モデルを主力商品の一つとして擁するほか、産業用VRシステムやデジタルサイネージにおけるコンテンツ管理システムなど当社にはない技術領域を得意としています。今後は両社で協力し、増加する案件に対応できる体制を構築していくとともに、顧客ニーズを満たすより高度なカスタムソリューションを提供していきます。
二つ目の施策は、「大型映像サービスの強化」です。当社は、コンサート・イベントで培った大型映像技術を土台に、2021年7月、「インカメラVFX」と呼ばれるバーチャルプロダクション撮影技術を提供するスタジオを国内他社に先駆けてオープンしました。2022年1月からは、広告制作を手掛ける大手映像プロダクションとの共同プロジェクト「メタバースプロダクション」を展開し、これまでに数多くのCM、映画、ドラマ、ミュージックビデオの撮影をサポートしてきました。
さらに今春、日本初となる三次元LED技術を搭載した「Immersive LED System」の本格運用を開始しています。没入感あふれる次世代の3D空間演出のインパクトは絶大で、早速人気音楽ユニットYOASOBI様の全国ツアーでのステージ演出に採用され、話題となりました。今後はコンサート、イベントはもとより、ターゲット市場としているテーマパーク等の施設でも、当社が提供する新しいイマーシブエンターテインメントの導入が進んでいくことが期待されます。